君へ、第二部 ――それでも、君がいる

また手紙を書いているよ。

君がいなくなっても、僕は毎朝目を覚ます。それが最初は不思議だった。こんなに大事なものを失って、どうして心臓は動き続けるんだろうって。でも、きっと君が「生きなよ」って言ってるんだと思うようにした。そうでも思わないと、立っていられなかった。

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君の気配

不思議なんだけど、今でも君の気配を感じることがある。

洗濯物を干していると、ふと「それ、裏返しにしないと色落ちするよ」って声が聞こえる気がする。台所で料理していると、「火、強すぎ」って笑われている気がする。本当に聞こえるわけじゃないのはわかってる。でも、君が染み込んだこの家には、まだ君がいる。

君が大切にしていた観葉植物、今も僕が水やりを続けている。最初は枯らしてしまいそうで怖かったけど、今はなんとか元気に育っている。「ちゃんとできてるじゃん」って、君が言いそうだ。

君がいなくて気づいたこと

君と一緒にいた頃、僕はどれだけ君に支えられていたか、全然わかっていなかった。疲れて帰ってきた時に「おかえり」と言ってくれる声がどれほど大切か。体調が悪い時に「大丈夫?」と額に手を当ててくれることがどれほど温かいか。

当たり前だと思っていた。ごめん。当たり前なんかじゃなかった。君がいてくれたから、全部成り立っていたんだ。

君に感謝を伝える機会は、もっとたくさんあったはずなのに。「ありがとう」って、どうして毎日言わなかったんだろう。後悔してる。でも、後悔しているということは、それだけ大事だったってことだよね。

泣いた夜のこと

君が逝って最初の誕生日、僕は一人でケーキを買った。君が好きだったいちごのショートケーキ。レジで「お祝いですか?」って聞かれて、なんて答えたらいいかわからなくて「まあ、そんなようなものです」と言った。

家に帰って、テーブルにケーキを置いて、君の写真を隣に飾って、ろうそくを一本立てた。「お誕生日おめでとう」って言ったら、急に涙が出てきて、しばらく止まらなかった。ケーキ、半分しか食べられなかった。残りは翌朝、君に報告しながら食べたよ。「おいしかった」って言ったら、笑ってくれる気がして。

君に教わったこと

君は「できないことより、できることを見ろ」ってよく言っていた。僕が落ち込んでいる時にいつも言ってくれた言葉。当時は「また始まった」なんて軽く流していた。ごめん。

今は、その言葉が毎日の支えになっている。

君がいない。それは変えられない。でも、君と過ごした時間は消えない。君が僕に残してくれたもの——笑い方、傘の差し出し方、雨の日の過ごし方、怒った夜でも手を握ること——全部、僕の中にある。

君は逝ってしまったけれど、君がくれたものは、ここにある。

それでも前を向く

正直に言うと、まだ完全に立ち直れてはいない。きっとこれからも、急に悲しくなる日があると思う。君の好きだった曲が流れてきた時、君が喜びそうな景色を見た時、秋の夕暮れが君の好きな色に染まった時。

それでいいと思っている。悲しめるということは、それだけ愛していたということだから。

君のことを忘れて前を向くんじゃなくて、君のことを抱きしめながら前を向く。それが、君への礼儀だと思っている。

第三部でまた話しかけるね。最後の手紙になるけど、一番大切なことを書くよ。

――今日も君を想う人より

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